1月21日に池坊陸前高田支部の初生け・新年会を行いました。初生けでは、それぞれが花材を持ち込み、思い思いの作品を生けました。立花・生花・自由花と明るく華やかな作品が並び、一足先に春がきたようでした。生けあがった作品をみんなで鑑賞し合い交流し、その後は、昼食をとりながら七夕会や支部花展の作品を動画にまとめたものを見て、今年度のこれまでの活動を振り返りました。昼食後は、チーム対戦でイントロクイズのゲームをして盛り上がり、お楽しみプレゼントを手にして終了という一日でした。
震災前は、ホテルで支部長先生が花を生けるのを見せていただき、その後懇親会をしていましたが、震災後は、ホテルもなくなり、「新年会」をするということもはばかられ、初生けらしきことは数回行いましたが、そのうちに、コロナが流行して、食事をとりながら交流するという「新年会」は、久しぶりとなりました。みなさんと気兼ねなく花についておしゃべりしたり、笑いあったりすることができて、楽しい時間を過ごすことができました。
(写真は、その一部の作品です)
昨年お亡くなりになった最高顧問だった先生は、初生けの挨拶でよくお正月に行われた箱根駅伝のことを話題にされたものでした。先生は、自分の師から、「ただのお花の先生になるんじゃないよ。」と言われてきたと。以前は、どういう意味か理解できませんでしたが、華道としての池坊の花を弟子に伝え渡すことこそ、自分の使命だと思い続けてきたのだということを理解できたのは、だいぶたってからのことです。
ご高齢になられ、お稽古ができなくなり、支部は次の支部長へと引き継がれましたが、その時の支部花展にご家族に車いすを押してもらいながら来場してくださった先生は、私に向かって「最後はあなただから」とおっしゃって帰られていきました。支部の役員の中でも年下の私に池坊の花のたすきを渡してくださったのでした。とても有難い言葉でもあり責任も重大と思いましたが、今では、自分ができる範囲で自分なりに頑張っていこうと思っています。そんなことを思い出しながら、今年の精進を誓った初生け・新年会となりました。