令和7年10月17日・18日に福島市を会場に第47回東北六県連合花展が開催されました。
華道家元池坊東北六県連合花展は、2年に1回東北6県を巡回して開催される花展です。前回は岩手県で開催され、宮城県は、本部展が東北6県連合花展のない年度に開催されるので主催県にはならずに福島県へとバトンが渡されたのでした。福島県福島市のAOUZ(アオウゼ)を会場に、テーマは「秋麗~花に想いをよせて~」として、秋晴れの心地よい季節に、一人ひとりの想いを花によせた熱意あふれる241瓶の作品が展示されました。

テープカットには、池坊事務総長が来場され、会場には、池坊専永宗匠の代花として佐々木康人教授が、また、柿沢正一講師が出瓶されました。コンクールも開催され、力作が並びました。東北六県連合花展のコンクールは、最高職の会員は参加できないことになっており、これからの若い会員の勉強の場として意義あるコンクールとなっています。2日間とも多くの来場者が訪れ、いけばなを楽しんでいただきました。

入口を入ると、福島支部の大会長の花が出迎えてくれました。その次に、本部役員の先生方の見事な作品が並び、その後に立花、生花、自由花が展示されました。




支部からは3名が出瓶しました。 今回の出瓶にあたり意識したのは、池坊の基本に立ち返り、「花をいかに生かすか」という点でした。使用した花材は、季節の移ろいを感じさせるものや、一本一本の持つ表情や生命力を丁寧に見つめながら取り合わせを考えました。自分の地域、身の回りにある花材を多く使用して、季節感はもちろん、地域の風土や空気感も作品に映し出されたのではないかと思います。

花材 パフィオペディルム オクロレルカ アンスリウムの葉 マユミ タイサンボク コデマリディアボロ 馬酔木 小菊 千日紅 タマシダ ウーリーブッシュ ヘリコニアパープルファウンティングラス


今回の花展に出瓶させていただき、改めて池坊華道の奥深さと、花を通して人と人とがつながる喜びを強く感じる機会となりました。東北六県の門弟が一堂に会するこの花展は、単なる発表の場にとどまらず、互いの研鑽の成果を分かち合い、次への意欲を高める貴重な場であったと思います。今回の出品により自身の課題も明確にすると同時に、今後も学び続けたいという意欲を新たにするものとなりました。この花展で得た気づきと感謝の気持ちをを大切に、これからも花と真摯に向き合い、池坊の教えを大切にしながら精進していきたいと思いました。

