中央研修学院第6期とより道

 中央研修学院第6期の一日目は、立花正風体。テーマは、「立花の指向性と今日性」で実技は、「今日的表現による立花」。

 私は、白いカラーに合わせた白いエビデンドラムを見越しとして見せ場にしようと強調した立花を生けました。エビデンのこんもりした花を、先生はまとまりの一つの花として見せる見せ方もあるし、その中の一つ一つの小さい花を見せる見せ方もあるよねとおっしゃるので、思い切って小さな花を二つだけにしてみました。もう何の花なのか分からなくなりましたが、その小さな花の可憐さが際立つようになったと思います。胴をカスミソウにしたところは、白い色でぼやけるので、メリーなどで引き締めた方がよいとアドバイスをいただきました。これで立花正風体の実技が終わりになりましたが、基本もまだまだですし、立花正風体を生けるのを避けがちであるので、機会を見つけて練習していかなくてはと思います。

 2日目は、自由花。テーマは、素材の捉え方と構成の考え方。実技は、センターピースの花。

 講義では、池坊いけばなの自由花とはということを主に話されました。アレンジメントとの違いは、「花で埋め尽くしていくのではなく、空間を作っていくこと」、「空間の中で植物の命を生かす、植物のもっている姿を生かす」こと。フラワーデザインのセンターピースの花は、四方面から見た時同じに見えるが、池坊の自由花は、見る場所で見え方が違う。でも、どこから見ても違和感がないようにとのことでした。

 実技では、水盤での花を構想していましたが、水盤は使用しないようにとの指示で、変化花器を使っての自由花でした。センターピースの花のように見えませんが、とにかく花を埋めない、空間を作ることを意識して生けて、先生からは、これでよいとの評価をいただきました。

 今年度の巡回講習会は、全ての作品が自由花ということで、池坊のいけばなの魅力を多くの人に届けるには、やはり自由花が重要だと思うので、どのような講習会になるのか楽しみです。

 中央研修学院へ向かう途中、上野駅で途中下車して東京国立博物館で行われていた「中尊寺金色堂展」を鑑賞しました。平日にも関らず、1時間ほど並んで入場できました。岩手県民なので、中尊寺には行くこともありますが、今回の展示では、堂内須弥壇に安置されている国宝の仏像を近くで見ることができ、会場の大型スクリーンでは、原寸大に再現された金色堂とその内部が映し出され、これまでにない視点で金色堂について知ることができました。このような素晴らしい文化が、平泉の地で花開いていたことに、改めて感動させられました。

 東京国立博物館は、上野公園の中にありますが、桜は見ごろを過ぎていました。それでも名残の桜を見に多くの人が訪れていました。公園の花は、桜から、ツツジなどの他の花にバトンが渡されていました。

 京都では、朝早く起きたので、ホテル近くの京都御所へ散歩に行きました。御所には、犬の散歩をする人などが見られ、朝の清々しい空気を吸いながら広い御所を楽しむことができました。

 桜は、八重桜が美しく咲いており、ピンクだけでなく、白っぽいもの、グリーンのものなどがあり、落ち着いた園内に華やかさを与えていました。

 今回は、桜の見ごろを過ぎていたので、観光客はだいぶ落ち着いてきたということでしたが、やはり外国人を中心とする観光客がたくさんいました。中研も2年目となり、クラスのお友達と会うのが何よりの楽しみになり、授業が終わった後は、夕飯をどこで何を食べるかに、どんな花を生けるかと同じくらいエネルギーを使っています!ほとんどの人は、私が京都まで勉強に通っていることを知ると驚きますが、その驚きの中身は、「いけばなにそんなお金をかけるなんて、余裕あるね。」的な驚きです。余裕はありませんが、自分が学び続ける本気の姿に生徒さんや支部の皆さんが信頼を寄せてくださること、池坊のいけばなのすばらしさを次の人へ伝えることを残りの人生のテーマにしたことを忘れないことを期待して遠い京都へ通うことを自分に課しています。どこまで続けられるかは分かりませんが、1回1回の授業と、人との出会いを大切にして楽しんでいきたいと思っています。